
「エアコンの2027年問題」という言葉を、チラシやSNS、ニュースなどで見かけて、不安になった方もいるのではないでしょうか。「2027年以降は今のエアコンが使えなくなるの?」「価格が上がるなら、今のうちに買っておいたほうがいい?」と気になりますよね。
結論からお伝えすると、2027年問題は嘘ではありませんが、「今使っているエアコンが使用禁止になる」という話ではありません。正確には、家庭用エアコンの省エネ基準が見直されるという制度の話です。
「え?どういうこと?」「2027年問題に向けて何をすればいいの?」と疑問をお持ちの方もいることでしょう。
そこで今回は、エアコンの2027年問題とは何か、そして2027年問題をきっかけに「買い替える」「様子見でよい」「クリーニングで様子を見る」という3つの判断軸を整理しながら、今のエアコンをどうすればよいか、わかりやすく解説していきます。
まず結論|2027年問題で確認したい3つの判断
「エアコンの2027年問題」と聞くと、なんだか大ごとのように感じてしまうかもしれません。ですが、慌てて買い替えを決める前に、まず知っておいていただきたいことがあります。
それは、この話は「今すぐ動かないと損をする」という警告ではなく、ご自宅のエアコンを一度見直すきっかけだということです。
判断は大きく3つに分かれます。まず以下の表で、自分のケースを確認してみてください。
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判断 |
該当するケース |
次にやること |
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買い替えを検討 |
10年以上使用、故障が多い、水漏れ・異音、電気代が高い |
販売店や工事業者へ相談 |
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急いで買い替えなくてもよい |
5年以内、不具合なし、省エネ性能が高い、使用頻度が低い |
使用年数と省エネ性能を確認 |
|
クリーニングも選択肢 |
比較的新しいがカビ臭い、効きが悪い、風が弱い |
内部汚れやクリーニング料金を確認 |
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
買い替えを検討したいケース
以下のいずれかに当てはまる場合は、買い替えを検討したいケースです。
- 使用年数が10年以上
- 故障が多い
- 水漏れや異音がある
- 電気代が以前より高くなっている
- リビングなど使用頻度が高い部屋で使っている
これらは、2027年問題がなくても、もともと買い替え時期が近づいているサインです。今回をきっかけに、販売店や工事業者へ早めに相談し、情報収集しておくと安心です。
詳しい判断基準は、後半の「買い替え判断の目安」の章であらためて整理します。
急いで買い替えなくてもよいケース
以下のいずれかに当てはまる場合は、急いで買い替えなくてもよいケースです。
- 購入から5年程度
- 問題なく冷暖房できている
- 省エネ性能が高い
- 使用頻度が低い部屋で使っている
- 近いうちに引っ越しやリフォームの予定がある
「2027年問題」という言葉だけを見て、今買わないと損をするのではと焦る必要はありません。まだ問題なく使えているエアコンなら、慌てて買い替えなくても大丈夫です。
クリーニングで様子を見てもよいケース
以下のいずれかに当てはまる場合は、買い替え前にクリーニングで様子を見てもよいケースです。
- 比較的新しいのにカビ臭い・酸っぱい臭いがする
- 風が弱い
- 冷えにくい・暖まりにくい
- フィルター掃除をしても改善しない
こうした症状は、本体の寿命ではなく、内部の汚れが原因になっていることがあります。買い替えという大きな出費を決める前に、まずは内部の状態を確認する手段として、クリーニングも選択肢に入れておきましょう。
エアコンの2027年問題とは?わかりやすく解説
「2027年問題」という名前だけを聞くと、何か大きなトラブルが起きるように感じてしまいますよね。ですが、実際は「家庭用エアコンの省エネ基準が見直される」という制度の話です。
ここでは、「2027年問題とは結局どういうことなのか」をつかんでいただくことを優先して、わかりやすく解説します。
メーカーが作るエアコンに求められる省エネ性能が上がる
2027年問題の中心にあるのは、メーカーがこれから作るエアコンに、より高い省エネ性能が求められるという話です。
資源エネルギー庁によると、2027年4月から家庭用エアコンの新しい省エネ基準が始まります。簡単に言うと、「同じ電気代でも、より効率よく部屋を冷やしたり暖めたりできるエアコンを作ってください」という基準が、メーカーに対して求められるということです。
対象はあくまでメーカー側で、すでにご家庭にあるエアコンが何か変わるわけではありません。なお、省エネ性能の見分け方は、後ほどわかりやすく解説します。
格安モデルの選択肢が減る可能性がある
省エネ基準が引き上げられることで、今まで通りの安いエアコンを選びにくくなる可能性があります。
省エネ性能を上げるには、性能のよい部品や手間のかかる設計が必要で、その分コストがかかります。「機能はシンプルだけど安い」というエアコンは、新しい基準に合わせるために値段を上げるか、作るのをやめるかを迫られます。そのため、安いモデルが店頭から減っていく可能性があるのです。
ただし、「安いエアコンが完全に買えなくなる」わけではありません。メーカーによって対応は違いますし、今ある在庫がすぐなくなるわけでもありません。「安いモデルは選びにくくなっていくかもしれない」くらいの受け止め方で大丈夫です。
H3:今使っているエアコンが使用禁止になるわけではない
2027年問題によって、今ご家庭で使っているエアコンが使用禁止になることはありません。
資源エネルギー庁も、今使用しているエアコンを2027年4月から買い替える必要はなく、引き続き使用できると明言しています。今回の省エネ基準の見直しは、あくまでメーカーがこれから作るエアコンに対するルールです。すでに設置されているエアコンにさかのぼって適用されるものではありません。
「2027年問題」という言葉のインパクトから、今のエアコンがどうにかなってしまうのではと不安になるかもしれませんが、その必要はありません。この点を押さえたうえで、次は「買い替えるべきか」「様子見でよいか」を判断していきましょう。
出典:資源エネルギー庁「27年4月からエアコンの新たな省エネ基準がスタート!エアコンについて知っておくべきポイントは?」
エアコンの2027年問題は嘘?本当?よくある誤解を整理
エアコンの2027年問題と聞いて「そんな大げさな」「どうせ嘘・デマでしょ?」と思う方もいるかもしれません。しかし、前述の通り省エネ基準が見直されるのは事実です。
とはいえ、SNSやチラシ、ニュースなどで広まっている情報の中には、事実が誇張されたり、一部だけが切り取られたりして、誤解につながっているものもあります。
ここでは、2027年問題で嘘と思われがちな「よくある誤解」を3つに分けて、ひとつずつ整理していきます。
誤解1:今のエアコンが違法になる
「2027年を過ぎたら、今のエアコンを使い続けるのは違法になる」というのは誤解です。
- 今のエアコンを使い続けるだけで違法になる
- 2027年までに撤去しないといけない
- 古いエアコンは使ってはいけない
こうした話を耳にすることがありますが、いずれも事実ではありません。
今回の省エネ基準の見直しは、あくまでメーカーが新しく作るエアコンに対するルールです。すでにご家庭にあるエアコンの使用を制限したり、禁止したりするものではないため、今まで通り安心して使い続けられます。
誤解2:2027年以降は古いエアコンを修理できなくなる
「2027年以降、古いエアコンは修理できなくなる」というのも、正確ではありません。
資源エネルギー庁によると、メーカーは製造を終えた後も、一定期間(目安として約10年間)は補修用の部品を保有することが一般的です。この期間内であれば、2027年を過ぎても修理できるケースは十分にあります。
つまり、修理が難しくなるとしたら、それは「2027年問題のせい」ではなく、「その機種の年式や部品供給の問題」です。
特に製造から10年前後が経っているエアコンは、もともと部品が手に入りにくくなる時期に差しかかっています。ご自宅のエアコンの側面や取扱説明書に記載されている製造年を、一度確認しておくと安心です。
誤解3:すべてのエアコンが一律で値上がりする
「2027年になったら、すべてのエアコンが一斉に値上がりする」というのも、少し言い過ぎです。
エアコンの価格は、もともと次のようなさまざまな要因で決まっています。
- 需要と供給のバランス
- 省エネ性能
- 銅やアルミなどの素材価格
- 製造・輸送コスト
- メーカーや販売店の戦略
省エネ基準の見直しによって価格が上がる可能性はありますが、すべての機種が同じタイミングで、同じ金額だけ値上がりするわけではありません。
実際にどのくらい変わる可能性があるのか、次の章で目安をお伝えします。
出典:資源エネルギー庁「27年4月からエアコンの新たな省エネ基準がスタート!エアコンについて知っておくべきポイントは?」
エアコンの2027年問題はいつから始まる?
「結局、2027年問題はいつから始まるの?」と気になっている方も多いと思います。
実は、「トップランナー制度」が始まる時期と、価格・在庫・工事の混雑といった影響を感じ始める時期は、必ずしも同じではありません。
ここでは、両者を分けて時系列で整理していきます。
制度上は2027年4月から適用
エアコンの2027年問題で、まず覚えておきたい日付が2027年4月です。このタイミングから、家庭用の壁掛け形エアコンに新しい省エネ基準が適用されます。
なお、天井埋め込み形や床置形など、壁掛け形以外のエアコンについては、対象時期が異なります。詳しくは後ほどのFAQでも触れますが、ここでは家庭用の壁掛け形エアコンを中心に解説を進めます。
2026年後半から在庫・価格・工事混雑に影響が出る可能性がある
制度が始まるのは2027年4月ですが、その影響を感じ始めるのは、もう少し早い時期になる可能性があります。
- 例年の夏(5〜8月頃):もともとエアコンの需要が高まり、工事の予約が混みやすい時期
- 2026年後半以降(2026年末~3月頃):「値上がり前に買っておきたい」という駆け込み需要が徐々に増え始める時期
この2つが重なることで、2026年の夏から2027年3月頃にかけて、低価格帯モデルの在庫が減ったり、取り付け工事の予約が取りづらくなったりする可能性があります。
まだ確定した話ではありませんが、買い替えを考えている方は、混雑が本格化する前に、価格や在庫、工事の空き状況を早めに確認しておくと安心です。
2027年度以降に新基準未達のエアコンが即販売禁止になるわけではない
2027年4月になった瞬間、店頭のエアコンが一気に入れ替わるわけではありません。
トップランナー制度は、メーカーが1年間に出荷する製品全体の平均で基準を満たせばよい制度です。そのため、基準未達のモデルもすべてがその日のうちに姿を消すわけではなく、在庫状況によっては、しばらく店頭に残ることもあります。
ただし、時間が経つほど選べる機種や価格帯は狭まっていきます。買い替えを考えているなら、早めに情報収集しておくと安心です。
出典:資源エネルギー庁「27年4月からエアコンの新たな省エネ基準がスタート!エアコンについて知っておくべきポイントは?」
2027年問題でエアコンの価格はどれくらい上がる?
「結局、エアコンは2027年にいくらぐらい高くなるの?」というのが、一番気になるところではないでしょうか。
正直なところ、エアコンの価格はメーカーや機種、販売店、時期によって変わるため、「必ずいくら上がる」と言い切ることはできません。ただし、一例として参考になる目安はあります。
ここでは、2027年問題でエアコンの価格はいくらくらい上がるのか、その考え方や目安を整理していきます。
価格上昇は数万円程度を目安に考える
目安としては、機種によって5万円以上の差が出ている例や、1.5倍前後の価格差が出ている例もあります。
たとえば、パナソニックの6畳用モデルでは、2027年の省エネ基準を満たしていないシリーズと、満たしているシリーズを比較した場合に、本体価格で8万円以上の差が出ている例があります。
ただし、これは特定の販売店・機種を比較した一例であり、すべての機種が同じように値上がりするわけではありません。実際の価格は、メーカーや機種、販売店、在庫状況、需要と供給のバランスによって大きく変わります。
出典:サンリフレ「エアコンの2027年問題とは?」
価格が上がる可能性がある理由
価格が上がる可能性がある背景には、省エネ性能を上げるためのコストがあります。
省エネ性能を上げるには、効率のよい部品を使ったり、設計を見直したりする必要があり、その分の開発費や部品代がかかります。さらに、銅やアルミといった材料の価格上昇、製造や輸送にかかるコストの増加も、価格に影響する要因です。
加えて、2027年問題を意識した駆け込み需要が重なると、取り付け工事の依頼も集中しやすくなります。工事の予約が混み合う時期は、工事費が高めに設定されることもあります。そのため、本体価格だけでなく、工事費を含めた総額が上がる可能性もあるわけです。
こうした背景を踏まえると、本体価格の安さだけでエアコンを選ぶのは、今後は難しくなっていくかもしれません。次は、本体価格に電気代も含めて考える方法を見ていきましょう。
本体価格だけでなく電気代も含めて考える
エアコンを選ぶときは、本体価格だけでなく、使い続けたときの電気代もあわせて考えることが大切です。
資源エネルギー庁の試算によると、2027年度基準を満たしたエアコンは、次のような光熱費の削減が見込まれるとされています。
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畳数の目安 |
年間の削減額 |
14年間(平均使用年数)での削減額 |
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6畳用(2.2kW機) |
約2,760円 |
約4万円 |
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14畳向け(4.0kW機) |
約12,600円 |
約18万円 |
本体価格が高くても、長く使ううちに電気代の差で回収できる場合があるということです。
ただし、これはあくまで試算による目安で、実際の電気代は使い方、地域、設定温度、住宅環境、契約している電力会社のプランによって変わります。「必ずこれだけ安くなる」と決まっているわけではない点は押さえておきましょう。
出典:資源エネルギー庁「27年4月からエアコンの新たな省エネ基準がスタート!エアコンについて知っておくべきポイントは?」
エアコンは2026年中に買うべき?買い替え判断の目安
「結局、2026年中に買うべき?それとも2027年まで待ってもいい?」というのが、ここでの疑問だと思います。
結論から言うと、全員が2026年中に買うべきというわけではありません。冒頭でお伝えした3つの判断を、もう少し詳しく状況別に見ていきましょう。
買い替え判断の目安について解説します。
2026年中の買い替えを検討したい人
冒頭でも触れた通り、以下に当てはまる方は、2026年中の買い替えを前向きに検討したい人です。
- 使用年数が10年以上
- 故障が多い
- 水漏れや異音がある
- 電気代が以前より高くなっている
- リビングなど使用頻度が高い部屋で使っている
このケースに当てはまる場合、「情報収集」「見積もり」「設置条件の確認」の3つを、駆け込み需要が本格化する前に進めておくのがおすすめです。
特に見積もりは、販売店や工事業者によって金額や対応が異なるため、1社だけで決めず、複数社を比較しておくと納得感を持って選びやすくなります。
また、室外機の設置スペースや配管の状態など、設置条件によっては追加工事費が発生することもあるため、あわせて確認しておくとよいでしょう。
急いで買い替えなくてもよい人
冒頭でも触れた通り、以下に当てはまる方は、急いで買い替えなくてもよい人です。
- 購入から5年以内
- 問題なく冷暖房できている
- 省エネ性能が高い
- 使用頻度が低い部屋で使っている
- 引っ越しやリフォームの予定がある
「2027年問題」という言葉だけを見ると、なんとなく焦ってしまうかもしれません。しかし、まだ問題なく使えているエアコンを、この言葉だけを理由に買い替える必要はありませんので安心しましょう。
買い替え前に掃除・クリーニングで確認したい人
冒頭でも触れた通り、以下に当てはまる方は、買い替え前にクリーニングで内部の状態を確認したい人です。
- 比較的新しいのに効きが悪い
- カビ臭い・酸っぱい臭いがする
- 風が弱い
- フィルター掃除をしても改善しない
こうした症状は、本体の寿命ではなく、内部の汚れが原因になっていることがあります。特に、フィルターの奥にある送風ファンにカビやホコリが溜まると、風量や効きの悪さ、ニオイにつながりやすくなります。
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エアコンのファン掃除は自分でできる?分解しないやり方・ブラシ掃除の注意点を解説
買い替えという大きな出費を決める前に、まずは内部の汚れが原因になっていないか確認しておく。それだけで、判断に納得感が持てるはずです。
エアコン2027年問題で補助金は使える?
エアコンの買い替えとなると、「補助金が使えるかどうか」も気になるところですよね。
結論から言うと、条件によっては補助金を使える場合があります。ただし、対象になるかどうかは、お住まいの自治体や時期、製品によって異なります。
ここでは、補助金を考えるうえで押さえておきたい考え方を整理します。
補助金は自治体・対象製品・申請条件によって異なる
補助金は、次のような条件によって内容が変わります。
- 対象になる地域(自治体)
- 対象になる家電の種類
- 対象製品の省エネ性能
- 買い替えか、新規購入か
- 申請できる時期
- 予算の上限
たとえば東京都の「東京ゼロエミポイント」は、省エネ性能の高いエアコンなどへの買い替え・新規購入で、購入金額から直接値引きが受けられる制度です。都内在住であることや対象製品の省エネ性能などの条件があり、申請は購入者本人ではなく登録販売店が行います。
こうした制度は地域によって内容や金額が異なり、予算の上限に達すると期間内でも終了することがあります。検討する場合は、最新の条件や金額をお住まいの自治体や国の公式サイトで確認しましょう。
出典:東京ゼロエミポイント【公式】「東京都民の方|東京ゼロエミポイント」
対象製品や申請条件を購入前に確認する
補助金でよくある失敗が、「買ったあとに対象外だと分かった」というケースです。
こうした失敗を防ぐために、購入前に次の点を確認しておきましょう。
- 対象になる省エネ性能を満たしているか
- 対象になっている販売店・登録店かどうか
- 申請の方法(自分で申請するのか、販売店が代行するのか)
- 購入前の事前申請が必要かどうか
- 予算の上限に達していないか
- 申請できる期限
制度によっては、事前申請が必要だったり、指定の販売店で購入しないと対象外になったりすることもあります。詳しい条件は、自治体の公式サイトや、購入を検討している販売店に直接確認しておきましょう。
補助金だけで買い替えを判断しない
補助金は、買い替えを後押ししてくれる材料のひとつではありますが、買い替えの目的そのものにしない方がよいでしょう。
「お得だから」という理由だけで、まだ問題なく使えているエアコンを買い替えてしまうと、結果的に不要な出費になることもあります。買い替えを判断するときは、補助金の有無だけでなく、使用年数、電気代、設置条件、使用頻度もあわせて考えることが大切です。
冒頭の3つの判断に当てはめたときに「買い替えを検討したい」に該当する場合は、補助金も活用しながら前向きに進めてよいでしょう。一方で「急いで買い替えなくてもよい」に該当する場合は、補助金があるからといって焦る必要はありません。
買い替えるなら確認したい省エネラベル・設置条件
ここまでの内容を踏まえて、実際に買い替えを検討している方向けに、選び方のポイントを整理しておきます。
エアコンを選ぶときは、価格だけで決めてしまうと、あとから「電気代が思ったより高い」「設置できなかった」といった失敗につながることがあります。
ここでは、買い替え前に確認しておきたいポイントを見ていきましょう。
省エネ基準達成率・APF・期間消費電力量を確認する
エアコンの省エネ性能は、パッと見ただけでは分かりにくいですよね。ここでは、カタログや店頭表示でよく見る3つの用語を、簡単に整理しておきます。
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用語 |
意味 |
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APF(通年エネルギー消費効率) |
少ない電力で、どれだけ効率よく冷暖房できるかの目安。数値が高いほど省エネ |
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期間消費電力量 |
1年間に使う電力量の目安。数値が低いほど電気代を抑えやすい |
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省エネ基準達成率 |
2027年度の省エネ基準に対して、どれくらい達成しているかを示す割合 |
これらの数値は、カタログや「統一省エネラベル」と呼ばれる表示にまとめて記載されています。細かい数値を全部覚える必要はありません。
「APFが高いほど省エネ」「期間消費電力量が低いほど電気代を抑えやすい」
という2点だけ押さえておけば、機種選びの際に比較しやすくなります。
部屋の広さと使用時間に合う機種を選ぶ
エアコンは、部屋によって使う時間がかなり違いますよね。だからこそ、すべての部屋を同じグレードでそろえる必要はありません。
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部屋のタイプ |
使用時間の目安 |
選び方の考え方 |
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リビングなど |
長時間 |
省エネ性能の差が電気代に影響しやすい。多少高くても省エネ重視のモデルがお得になりやすい |
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寝室・子ども部屋など |
短時間 |
省エネ性能による電気代の差が出にくい。本体価格とのバランスを重視してもよい |
「とりあえず全部同じグレードでそろえる」のではなく、部屋ごとの使い方に合わせて機種を選び分けるのも、賢い選び方のひとつです。
ダイキン・パナソニックなど主要メーカーの公式情報も確認する
ダイキンやパナソニックなど、主要メーカーの公式サイトでは、2027年基準への対応状況や、省エネ性能の見方がメーカーごとに整理されています。
同じ「省エネ性能が高いモデル」でも、メーカーによって搭載されている機能や型番の付け方は異なります。気になるメーカーがある場合は、購入前に公式サイトもあわせて確認しておくと、カタログスペックだけでは分かりにくい部分まで把握しやすくなります。
出典:
・Panasonic「エアコン2027年問題とは?嘘とホント、価格への影響、省エネ性をわかりやすく解説」
・ダイキン工業株式会社「2027年問題、エアコンは『省エネ性×快適性』で選ぶ」
室外機サイズや追加工事費も確認する
2027年度基準では、省エネ性能の見直しとあわせて、これまであった室内機の寸法規定(横幅800mm以下・高さ295mm以下)も撤廃されます。同じ制度改正の中で決まった変更のため、今後は寸法にとらわれない設計のモデルも増えていく可能性があります。そのため、購入前の設置条件の確認がこれまで以上に大切になることでしょう。
エアコンの購入前に、次の点を確認しておきましょう。
- 室外機を置くスペースの広さ
- 配管の長さ
- 電圧・コンセントの形状
- 室外機の特殊な設置(屋根置き、壁掛けなど)が必要かどうか
価格だけを比較して決めてしまうと、工事当日に「今の場所には設置できない」「配管が足りない」といった理由で、追加工事費が発生することがあります。見積もり時点で、設置条件まで含めて確認しておくと安心です。
2027年問題の買い替え前に確認したいエアコンの状態
ここまで、制度や価格について解説してきましたが、実際に判断するうえで大切なのは、ご自宅のエアコンが今どんな状態かということです。
以下の表で、気になる症状と、その見るポイント・判断の目安を確認してみてください。
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確認すること |
見るポイント |
判断の目安 |
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製造年・使用年数 |
本体側面やラベルの製造年を確認 |
10年以上なら買い替えも検討、5〜8年程度なら状態次第 |
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冷えない・暖まらない |
設定温度、フィルター、室外機まわり、内部汚れを確認 |
原因が汚れなら掃除で改善する可能性あり |
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カビ臭い・酸っぱい臭い |
吹き出し口、送風ファン、内部汚れを確認 |
比較的新しい機種ならクリーニングも選択肢 |
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風が弱い |
フィルター汚れ、内部汚れ、ファン汚れを確認 |
フィルター掃除で改善しないなら内部汚れも疑う |
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水漏れ・異音 |
ドレン詰まり、部品不良、故障の可能性 |
掃除より点検や修理相談を優先 |
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電気代が高い |
使用時間、設定温度、古い機種かを確認 |
古い機種なら買い替え、汚れが原因なら掃除も検討 |
こうして見ると、水漏れや異音は点検・修理が優先ですが、ニオイや効きの悪さは、内部の汚れが原因になっているケースも少なくありません。
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エアコンが臭い原因は?酸っぱい・カビ臭いニオイの対策と掃除方法を解説
買い替えを決める前に、まずは内部の汚れが関係していないか、次の章で詳しく確認していきましょう。
買い替えではなくクリーニングで様子を見てもよいケース
エアコンの買い替えは、決して安い出費ではありません。状態によっては、買い替える前にクリーニングで様子を見るという選択肢もあります。
ここでは、クリーニングが選択肢になるケースと、そうでないケースを整理していきます。
古い・故障しているエアコンは買い替えを優先する
使用年数が10年以上、水漏れや異音がある、修理費が高額、部品がすでにない。こうした状態は、内部を掃除したところで根本的な解決にはなりません。
クリーニングは、あくまで汚れが原因の不調を改善する手段であり、本体の寿命や故障を直すものではないからです。無理にクリーニングで延命しようとすると、かえって出費がかさんでしまうこともあります。まずは買い替えや点検を優先してください。
使用年数が浅く、ニオイや効きの悪さが中心の場合
一方で、使用年数がまだ浅いのに、カビ臭さや酸っぱい臭い、風量の低下、冷暖房の効きの弱さが気になる場合は、買い替え前にクリーニングを検討する価値があります。
こうした症状は、本体の故障ではなく、内部に溜まったカビやホコリが原因になっていることが多いためです。年式が新しいのに調子が悪いと感じたら、まずは内部の汚れを疑ってみましょう。
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フィルター掃除をしてもニオイ等が改善しない場合
フィルターを掃除しても改善しない場合は、フィルターより奥にある部品の汚れが原因になっている可能性があります。
エアコンの内部には、熱交換器(フィルターの奥にある、金属の薄い板のような部品)や、送風ファン(吹き出し口の奥で風を送り出す筒状の部品)があります。フィルターはあくまで表面的なホコリを防ぐ役割で、これらの奥の部品まではカバーできません。カビやホコリがここに溜まると、フィルターをどれだけ掃除しても、ニオイや風量の改善にはつながりにくくなります。
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複数台を一度に買い替えるのが難しい場合
家に複数台エアコンがある場合、すべてを一度に買い替えるのは、家計への負担が大きくなってしまいますよね。
そんなときは、一気に全部買い替えようとせず、部屋ごとに優先順位をつけるという考え方もあります。たとえば、使用頻度が高いリビングは買い替えを優先し、使用頻度が低い寝室や子ども部屋はプロによるエアコンクリーニングで様子を見る、といった分け方です。
すべてのエアコンを同じタイミングでそろえる必要はありません。ご家庭の状況に合わせて、エアコンクリーニングと組み合わせながら無理のないペースで進めていきましょう。
CTA
自分でできるエアコンメンテナンスとプロに任せたいクリーニング
2027年問題をきっかけに、今のエアコンを長く使うためのメンテナンスも、あわせて見直してみましょう。
エアコンの手入れには、自分でできる範囲と、無理に触らないほうがよい範囲があります。
ここでは、その線引きを整理していきます。
自分でできること|フィルター掃除や室外機まわりの整理
自分でできる範囲は、フィルターの掃除、吹き出し口まわりの拭き掃除、室外機まわりの整理です。
フィルターは月に1〜2回を目安に掃除機やブラシでホコリを取り、吹き出し口は目に見える範囲を固く絞った布で拭くだけで十分です。室外機は分解せず、周りに置いてある物や落ち葉などの障害物をどける程度にとどめましょう。シーズン前には試運転をして、異音や水漏れがないかも確認しておくと安心です。
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エアコン掃除は自分でどこまでできる?やり方と注意点をわかりやすく解説
エアコン掃除スプレーを使いたい場合は、内部に直接噴射すると故障につながることがあるため、注意が必要です。
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プロに任せたいこと|内部のカビ・ファン・熱交換器の汚れ
熱交換器、送風ファン、ドレンパンといった内部の部品は、プロに任せたい範囲です。
これらは分解しないと届かない場所にあり、専用の機材や洗剤を使った高圧洗浄でなければ、汚れをしっかり落とすことができません。自分で分解して内部を洗浄しようとすると、部品を傷つけたり、水が電装部分にかかって故障につながったりするリスクがあります。無理をせず、内部の汚れが気になる場合はプロに相談するのが安心です。
エアコンクリーニングの作業内容を詳しく知りたい方はこちら
エアコンクリーニングとは?作業内容・効果・料金、自分で行う掃除との違いを解説
クリーニング費用と買い替え費用を比べて判断する
クリーニングして長く使い続けるか、思い切って買い替えるか。迷ったときは、費用を比べて考えてみましょう。
クリーニング料金と買い替え費用だけでなく、今のエアコンの使用年数、故障のリスク、電気代も含めて比べると、判断しやすくなります。クリーニング費用の相場感がまだつかめていない方は、まず料金を確認してみるとよいでしょう。
エアコンクリーニングの料金相場を詳しく知りたい方はこちら
【2026年版】エアコンクリーニングの料金相場はいくら?主要6サービスを比較!種類別や台数別の費用も解説
エアコン内部の汚れをキレイにするなら比較してプロを探そう
エアコン内部の汚れは、自分で無理に分解して掃除するより、対応できるプロを探して比較する方法もあります。
業者選びで失敗しないためには、料金だけでなく、作業範囲・口コミ・補償の内容もあわせて確認しておくことが大切です。
業者選びで失敗しないためのポイントを詳しく知りたい方はこちら
エアコンクリーニングでよくある失敗・後悔7選|業者トラブルを防ぐ確認ポイント
ユアマイスター|料金や口コミを比較して選べる
ユアマイスターは、全国のエアコンクリーニング業者を、料金・口コミ・作業内容で比較できるサービスです。地域やエアコンの種類を指定して、自宅に対応できるプロを探せます。
- 地域・エアコンの種類を指定して、対応できるプロを比較できる
- プロごとの口コミや作業内容を確認したうえで選べる
- 通常タイプ12,800円〜、お掃除機能付き18,800円〜が目安(2026年6月時点)
- 同じタイプを2台依頼すると、2台目が3,000円引き
料金や口コミをじっくり見比べたい方、自宅の条件に近いプロを自分で選びたい方に向いているサービスです。
買い替え費用とクリーニング費用を比べたい場合も、まずは料金の目安を確認してみるとよいでしょう。
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お掃除革命|料金のわかりやすさや補償面を重視したい人向け
お掃除革命は、全都道府県に対応しているエアコンクリーニングサービスです。料金体系がわかりやすく、駐車場代や出張費が別途かからない点が特徴です。
- 通常タイプ9,980円〜、お掃除機能付き18,700円〜が目安(2026年6月時点)
- 駐車場代・出張費が基本料金に含まれる
- 全都道府県で対応しており、依頼先を地域ごとに探しやすい
- スタッフの教育体制を整えており、対応品質にばらつきが出にくい
複数のプロを比較するのが手間だと感じる方や、追加料金の心配を減らして依頼したい方に向いているサービスです。
ユアマイスターが「比較して選びたい人」向けなら、お掃除革命は「料金と対応をシンプルに決めたい人」向け、というくらいの向き不向きで考えるとよいでしょう。
CTA
エアコン2027年問題に関するよくある質問
ここまで読んでも、「結局うちの場合はどうなんだろう」「ここだけもう一度確認したい」と、細かい疑問が残っている方もいらっしゃると思います。
ここでは、027年問題でよくある疑問・質問に短くお答えします。気になるところだけでも、ぜひ確認してみてください。
2027年以降、今のエアコンは使えなくなりますか?
使えますので安心してください。
今回の省エネ基準の見直しは、メーカーがこれから作るエアコンに対するルールです。すでにご家庭にあるエアコンの使用を禁止したり、制限したりするものではないため、今まで通り使い続けられます。
2027年以降、古いエアコンは修理できなくなりますか?
2027年問題によって、一律に修理できなくなるわけではありません。
メーカーは製造終了後も一定期間(目安約10年間)は補修用部品を保有することが一般的で、その間は修理できます。ただ、製造から年数が経っている機種は、メーカーや販売店に修理の可否を確認しておくと安心です。
エアコンの価格はどれくらい上がりますか?
「必ず◯万円上がる」とは言い切れませんが、機種によっては数万円程度の価格差が出ている例もあります。実際の価格は、機種、販売店、在庫状況、時期、需要と供給のバランスによって変わります。
エアコンは2026年中に買ったほうがいいですか?
すべての方が急いで買う必要はありません。
使用年数が10年以上、故障が多い、使用頻度が高いエアコンをお使いなら、早めに検討する価値があります。一方、購入から年数が浅く、問題なく使えている場合は、急がなくても大丈夫です。
ご自身で軽く掃除をしたり、プロによるエアコンクリーニングでキレイにしながら様子をみましょう。
2027年問題で補助金は使えますか?
条件によっては使える場合があります。
ただし、対象になるかどうかは自治体や時期、製品によって異なるため、対象製品や申請条件、購入前申請の有無を、最新の公式情報で確認しましょう。
ダイキンやパナソニックのエアコンは2027年問題に対応していますか?
メーカーによって、対応している機種や省エネ基準の達成状況は異なります。「このメーカーなら全機種が対応している」とは言い切れないため、購入前に公式サイトや販売店で、希望する機種の対応状況を確認しておきましょう。
業務用エアコンも2027年問題の対象ですか?
この記事では、主に家庭用の壁掛け形エアコンを中心に解説しています。業務用エアコンは、基準の適用時期や機器の種類、設置環境が家庭用と異なります。店舗やオフィスで使用している場合は、メーカーや空調業者に確認しましょう。
賃貸の備え付けエアコンはどうすればいいですか?
備え付けのエアコンは、入居者の判断で買い替えるのはやめましょう
効きが悪いエアコンは買い替えとクリーニングどちらがよいですか?
年式が古く、故障が多い場合は買い替えを優先しましょう。
比較的新しいエアコンなら、内部の汚れが原因になっていることもあるため、掃除やクリーニングで改善する可能性があります。フィルターの汚れなのか、内部の汚れなのか、故障なのかを切り分けて考えることが大切です。
まとめ|2027年問題をきっかけに買い替え・掃除・点検を見直そう

今回は、エアコンの2027年問題について解説しました。
2027年問題は、完全なデマではなく、省エネ基準の見直しは事実です。ですが、「今使っているエアコンが使用禁止になる」「修理ができなくなる」「すべての機種が一律で値上る」といった話は誤解です。価格上昇や格安モデルの選択肢が減る可能性はありますが、だからといって、全員が急いで買い替える必要はありません。
大切なのは、買い替えを急ぐ前に、ご自宅のエアコンの状態を確認することです。
- 使用年数・電気代:古く故障が多いなら、買い替えを検討
- 効き・ニオイ:比較的新しいのに調子が悪いなら、エアコンクリーニングを検討
- 水漏れ・設置条件:異常があれば、点検やプロへの相談を優先
料金や口コミを見比べたい方、買い替え費用とクリーニング費用を比較してみたい方は、まず自宅のエアコンに対応できるプロを確認してみるところから始めてみてください。
「ひとまずエアコンクリーニングをしてみよう」という方も、「買い替えとクリーニング、どちらが得か比較してから決めたい」という方も、まずは業者ごとの料金や口コミを見比べてみることから始めてみてください。今のエアコンをキレイにするだけで、悩みが解消するかもしれません。
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